【実体験】国際結婚で複合姓に!氏の変更手続き・必要書類・注意点を徹底解説

国際結婚をすると、名字(姓)の選択肢がいろいろあって迷う人も多いのではないでしょうか。

夫婦別姓?それとも外国人配偶者の姓を名乗る?はたまた、両方の姓をくっつけた“複合姓”という選択肢もあります。

私自身、ポルトガル人と国際結婚をし、最終的に複合姓を選びました。この記事では、家庭裁判所への申立て方法から市役所での手続き、実際の書類や感想まで体験談付きでご紹介します。
メリット・デメリットも紹介するので、国際結婚後の姓に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

1. 国際結婚したら名字はどうなる?選べる3つのパターン

国際結婚をした日本人には、次の3つの名字の選択肢があります:

  • そのまま
  • 外国人配偶者の姓に変更(夫婦同姓)
  • 複合姓(両方の姓を繋げる)

それぞれの選択肢には、手続きやメリット・デメリットがあるため、自分たちの将来の生活スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

日本の法律では、同じ戸籍に入る人は同じ姓でなければなりません。
日本人同士の結婚では2人で新しい戸籍を作るため、夫婦どちらかの姓に統一されます。
国際結婚では、外国人配偶者に日本の戸籍がないため、日本人配偶者だけの戸籍になります。そのため、夫婦で姓をそろえる義務はなく、姓の選択肢が3つあるんです。 3つの姓をもうちょっと解説しますね。

1. 旧姓のまま(夫婦別姓)

  • メリット:名義変更の手間がなく楽
  • デメリット:家族と名字が違うため、一体感に欠けたり、証明が難しいことも

2. 外国人配偶者の姓に変更

結婚後6ヶ月以内なら市役所で手続き、6ヶ月を超えると家庭裁判所で申立てが必要

  • メリット:家族としての証明がしやすい
  • デメリット:日本の姓が消えるため、国内で不便な場面も

3. 複合姓(両方の姓を合わせる)

結婚期間にかかわらず、家庭裁判所で申立てが必要

  • メリット:日本名を残せる、家族の一体感も得られる
  • デメリット:手続きがやや煩雑

例:テニス選手のクルム伊達公子さんの姓「クルム伊達」は複合姓です(日本ではミドルネーム制度がないため、これでひとつの姓です)

2. 複合姓にできる条件とは?

複合姓は誰でも申請できるわけではありません。家庭裁判所が氏の変更を認めるには、「やむを得ない事由」が必要です。ただ「複合姓がかっこいいから!」では許可は下りません。

「やむを得ない事由」なんて聞くと難しそうですが、しっかりした理由があれば、複合姓をゲットできる可能性は十分あると思います。

3. 複合姓に変更する方法と必要書類【ステップ別で解説】

3-1. 家庭裁判所への申立て

申立ては、本人の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。

必要書類:

  • 氏の変更申立書(家庭裁判所のHPに様式あり)
  • 戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 収入印紙800円
  • 郵便切手(裁判所によって金額・内訳が異なるので電話で要確認)
  • 外国人配偶者との婚姻証明書の写し(翻訳付き)

申立て後、家庭裁判所から追加資料の提出や面談を求められることがあります。
内容に問題がなければ、およそ1〜2ヶ月程度で許可の審判が出ます

3-2. 市役所での改姓届出

必要書類:

  • 審判謄本書
  • 確定証明書

改姓の許可が下りたら、「審判謄本書」「確定証明書」が郵送されてきます。書類が届いたら、1ヶ月以内に住所地の市区町村役場で「戸籍の届出(入籍届)」を提出し、新しい姓に変更します。

3-3. 名義変更の手続き(銀行・職場・各種契約)

姓が変わると、以下の名義変更が必要になります。日本人同士の結婚でも同じですね:

  • マイナンバーカード
  • 運転免許証
  • 銀行口座
  • クレジットカード
  • 保険証、職場の社会保険
  • 年金情報
  • 住民票
  • スマホやネットのサービス

4. 私の体験談:なぜ複合姓を選んだ?どんな書類を出した?

4-1. なぜ複合姓を選んだのか

理由は、大きく分けて以下の5つです。

1.ポルトガルでは妻が夫の姓を追加するのが一般的だから

ポルトガル人と結婚したからには、名字もポルトガル式にしたい!という憧れがありました。

ポルトガルの名字は、こんな感じになることが一般的です。

【例】

夫:ミゲル(名) マルケス・ロペス(姓)

妻:マリア(名) ペレイラ・サントス(姓)

  結婚後→マリア(名) ペレイラ・サントスロペス(姓)

子:マヌエル(名) サントスロペス(姓)

二人の姓をくっつける複合姓は、ポルトガル式にぴったり!

複合姓の順番も自分で決められるので、ポルトガルで自然な形となるように「日本の姓+ポルトガルの姓」にしました。

2.日本の名字が気に入っていたから

日本の名字が好きでしたし、慣れ親しんだ名字がなくなるのは寂しかったので、日本の名字を残せる複合姓を選択しました。

3.日本でもポルトガルでも使いやすい名字が良かったから

日本で生活するなら日本の名字があると便利です。同じく、ポルトガルに住むなら、ポルトガルの名字があったほうが便利。どちらの国に住んでもいいように両国の名字を入れたいと思いました。

また、ポルトガルでは名字が2個以上あるのが一般的なので、複合姓だとさらに便利。結婚前ポルトガルに留学していたときは、いろいろな手続で「フルネームが本当にそんなに短いの?」と疑われて苦労しました(笑)

4.夫婦としての一体感が欲しかったから

夫も、家族になったからには絶対に夫婦で同じ名字を持ちたい!と希望していたので(私が名字を変えたくなかったら、自分が日本の名字に改姓するつもりだったとか笑)、別姓の選択肢はありませんでした。

同じ名字を共有していれば夫婦だと証明するのも簡単!

5.子供にとって便利だから

もしいつか子供ができたら、その子供は、私と同じ複合姓を持つことで、

  • ポルトガルで自然な名字になる
  • 両親との親子関係が分かりやすい

というメリットがあります。私は子供に、日本とポルトガルで同じ名字をもってほしいと思っています。名前はアイデンティティの一部ですし、国によって自分の名前が違ったら混乱してしますと思うんです。ポルトガルで自然な名字を日本でも持てるように、というのも私が複合姓を選んだ理由の一つです。

4-2. 申立て書類【実例付き】

裁判所に出す書類で一番難しいのは申立書です。どんな風に書けばいいのか分からないですよね。

私は、申立書とその参考資料をこんな感じで用意しました↓

申立書:「申立ての理由」の欄に「別紙をご参照ください。」と記入

別紙:複合姓にしたい理由をWordでまとめたもの

別添1:ポルトガルの法律に関するウェブサイトを印刷したもの

    (ポルトガルでは複合姓が法律上認められているとアピールするため)

別添2:夫の出生証明書のコピー(夫、両親、祖父母のフルネームが書いてあるもの)

別添3:別添2の翻訳

また、別紙では、先ほど挙げた理由をアレンジして、「複合姓にしないと支障がある」感を出しました。↓(名前は例です!)

別紙

1.申立人は、令和〇年〇月〇日にサントス・ロペス(姓)マヌエル(名)(国籍:ポルトガル共和国)と婚姻しました。

2.申立人は、婚姻時より現在まで、「梅川」を使用してきました。

3.申立人は、以下の理由のため、氏を「梅川ロペス」に変更する許可を求めます。

・日本とポルトガルで同じ姓を名乗るため

ポルトガルでは、結婚をすると、妻が夫の姓を追加するのが一般的です

(別添1、2、3をご参照ください)。

具体的な時期は未定ですが、将来ポルトガルに移住する予定があります。

ビザの取得やポルトガルでの各種手続きを容易にするため、通称名ではなく、本名として、日本とポルトガルで同じ姓を使用したいと考えます。

・婚姻関係の証明を明確にするため

日本でもポルトガルでも、夫婦は同じ姓を共有していることが一般的です。

ポルトガルでは、夫婦別姓は不可能ではありません。

しかし、夫婦で同じ姓を共有していないと、周囲から夫の家族と不仲であると思われる、各種契約で夫婦である証明を求められる等の不都合が生じます。

いずれの国で生活するにも、夫婦で同じ姓を共有していないと、関係性が分かりづらく不便です。

・子供に互いの姓を引き継ぐため

日本でもポルトガルでも、親子は同じ姓を共有していることが一般的です。(別添2、3の資料をご参照ください。)

親と子供の姓が別であると、関係性が分かりづらく不便です。

複合姓の場合、母と子、父と子の関係性が明確になります。

ポルトガルで生活する場合、子供は「母の姓+父の姓」という、ポルトガルで一般的な形の姓を持つことができます。

日本で生活する場合、「山田」という日本の姓があることで、日本との関わりを明確にできるというメリットがあります。

4.なお、申立人の氏の変更は、夫の希望でもあり、申立の趣旨のとおり、氏を変更する事に同意しています。

詳細は面談で伝えよう思っていたので、申立書の内容は簡潔に書きました。

頭の中で面談の練習を何度も行っていた私ですが、なんと面談なしで許可が下りました!

私の書類づくりが上手だったのかな!なんて自惚れていましたが(笑)、今思えば、ポルトガルで複合姓が一般的だというのが大きい要因だったのかなと思います。追加書類や面談を求められても、自信を失わないでくださいね。

4-3. 実際に複合姓にしてどう?

結論:複合姓最高!!

もちろん不便なこともあります。ネットの申し込みフォーム等で、長すぎてフルネームが入力できないなんてことも起こりますが、面白いなーぐらいに思って楽しんでいます。

日本で生活していると、やっぱり日本の名字があって良かった、と思います。病院等では、だいたい日本の名字だけで呼ばれるので目立ちません。(くっつけた夫の姓はミドルネームだと思われている可能性大。)

複合姓にして一番良かったのは、気持ちの部分だと思います。(申し立ての理由にはできないですけど)

私は個人的には夫婦別姓に賛成ですが、いざ自分が結婚してみると夫婦別姓は想像以上に寂しかったので、夫と同じ姓を持てるようになって嬉しいです。

慣れ親しんだ日本の名字も残っているので、その安心感と、夫と名字を共有できているというわくわく感がどちらもあって、とっても良いです。 また、ポルトガルに行ったら、夫の姓呼ばれるのをちょっと楽しみにしています。

5. まとめ:国際結婚と名字の選択、後悔しないために

複合姓にするには手続きが多く、「やむを得ない理由」も必要ですが、複合姓にするメリットは大きく、国際カップルならではのすばらしい選択肢と言えます。名前はアイデンティティの一部で、とても大切です。文化・家族・将来などを考えて、自分が納得できる選択をしてください。

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